八雁短歌会

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萩原克則歌集『星月夜』自選十首

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自選十首
宵待ちの氷室の山の峰昇る月を仰ぎて獺祭を飲む
大根をぐいと引き覗き込む穴は地球の穴の一つだ
青空はジンギスカーンと広がりて朝青龍の走るモンゴル
老いたれど威厳保てる猿山のガリレオ・ガリレイリンゴを囓る
「お出かけはあなたシャッキリなさいまし」妻の手が伸び首締めあぐる
ジャコメッティの「歩く男」(The Walking Man)がメイプルの落葉踏みしめゆく五番街
満天の星を仰げばビルの間にゴッホ描きし「星月夜」見ゆ
赤手蟹が赤手蟹襲う真昼間の(いくさ)は土手の石道の上
「一の橋」「二の橋」越えて「三の橋」渡り行くべし「魚藍坂」まで
夕せまる古書店独歩の看板に小雀一つ止まりて鳴きつ

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