八雁短歌会

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真野少歌集『山葵の花』自選十首

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自選十首

ワンカップ大関は(から) たばこ屋の角なるポストあかきその上
地下鉄に座るもろびとマスクせりなにゆえひとはおのれを愛す
カラシお付けしますか、と訊き肉まんを包めりむかし菜摘ますおとめ
科学より美しきもの見たりけむ笹井芳樹を世はゆるさずき
グラウンドゼロ渡りゆくここに来てひとり少女の座れる夕べ
ひとつかみの装身具(アクセサリー)もてマンハッタン島を購いきオランダ人は
壕に向く老婆の闇に見ひらける眼に惨は見ゆ祈るにあらず
白地図のごときを指してこのあたり福島県がありきと言えり
デモに行く者らはいずれ穏健な思想もつゆえわれは与せず
ひと束の山葵の花をみちのくの今朝の市場に買う手のあらむ

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